自分好みの切れ味を求める方には「砥石」での研ぎ
当社製品に限らず、包丁にとって最も良いメンテナンスは砥石での研ぎです。手作業のため自分好みの刃付けを施すことができ、シャープナーよりも更に切れ味を高めることが出来ます。上手く研げるようになるには慣れが必要ですが、コツをつかめば難しいものではありません。鋭い切れ味に仕上げたい方には是非おすすめです。
砥石は大きく分けて3種類に分類できます。
・「荒砥石(#200~#600)」:刃欠け・刃こぼれ修復用
・「中砥石(#1000程度)」:主に切れ味の回復用
・「仕上砥石(#4000~)」:更に切れ味を高める仕上用
#から始まる番手と呼ばれる数字で粗さを表します。家庭で使うなら中砥石があれば十分ですが、更なる繊細な切れ味を追求されたい場合は仕上砥石で仕上げを行ってください。
中砥石での両刃包丁の研ぎ方
- 砥石全体を水に浸して、20分程度砥石に水を含ませる。
- 平らな場所に濡れタオルなどを敷き(砥石が動くのを防ぐため)その上に砥石を置く。
- 包丁を砥石に対して45°~60°くらいの斜めの角度で、刃が手前になるようにのせる。包丁を砥石に当て、砥石と刃の角度を15°くらい(10円玉1~2枚程度の厚さ)に傾けて持つ。
- 反対の手を刀身を軽く添え、「すっすっ」とリズムよく手前から奥へと包丁を押し出すように動かす。奥から手前へ戻すときは力を入れず軽く引く。この作業を繰り返し行う。
- 研ぎ具合の確認:刃先に指を当ててみる。上手く研げていれば刃先に「刃返り」という金属のまくれができてザラっとした感触がある。
- 刃返りが刃先全体に均一に付くまで研ぐ
- 刃返りができたら反対側の面を研ぐ。握る手を反対に持ち替え、刃先は手前にくるようにしてまた刃返りが出るまで研ぐ。
- もう一度表側の面を軽く研いで刃返りを取る。<研ぎ完了>
- 包丁をしっかりと水洗いし、水気を拭き取って保管する。
【砥石で研ぐ際の注意事項】
・包丁を研ぐ際は、無理に力を入れないでください。無理に力を入れると手元がぶれ、刃で怪我をする場合があります。
・砥石に当てる角度を一定に保ってください。ぶれが生じた場合、刀身を傷つける恐れがあります。
・指が砥石に当たり、指の腹が擦れて擦過傷を起こす場合があります。十分ご注意ください。
包丁の使用頻度にもよりますが、月に1~2回くらいは砥石で研ぐと、常に比較的切れ味の良い状態が保てます。また刃先の摩耗が進みすぎてしまうとシャープナーでは研げなくなるため、そういった時にも砥石での研ぎがおすすめです。
ステンレス包丁と相性の良い「CERAX」砥石を取り扱っています。
当社では、研ぎ味の良い「CERAX」(株式会社末広製)を取り扱っています。セラミック製の砥石は、靱性(ねばり強さ)のあるステンレス包丁との相性も抜群。荒砥・中砥・仕上砥のほかに、砥石の面を直す修正砥石もご用意しています。
まず手に入れるなら、日常のお手入れや刃付けに適した「中砥(CERAX 1010)」が良いでしょう。仕上げ砥(CERAX 6060)と合わせて使用することで、繊細かつ鋭利な刃付けが可能です。
▼シャープナー・砥石
▼参考:コラム「包丁の切れ味を復活させる方法とは?」