自分にあった包丁選び② 3つの基準から最適な1本を考える

コラム

▼コラム「自分にあった包丁選び① 」(リンク)では用途別に様々な包丁を紹介しました。同じ用途の包丁でも、大きさや鋼材など、バリエーションが多くあります。この記事ではさらに、包丁選びのポイントを3つご紹介します。

素材

現在、家庭用として最も普及しているのはステンレス包丁ですが、その他に日本刀などにも使われる鋼(はがね)や金属を含まないセラミックなど、様々な素材の包丁が売られています。当社で扱いのあるステンレスと比較した場合の違いについてご紹介します。

ステンレス包丁のメリット

三徳包丁,牛刀,出刃,ペティーナイフ,包丁選び,

・シャープナーや砥石など、切れ味を回復させる道具の選択肢が豊富

・鋼と比べ、錆びにくいので手入れが簡単

・鋼と比べ、安価 ※ただし、価格は鋼材の種類や加工によっても異なります

 最大のメリットとして「手入れのしやすさ」が挙げられます。錆びにくく、メンテナンスもしやすいため料理初心者にも扱いやすい素材といえます。

さらにオールステンレス包丁は他にも
・継ぎ目がないため洗いやすく、より衛生的

・熱湯消毒ができる
といった点が挙げられます。

オールステンレス包丁は刀身と持ち手(柄)が一体となっているため、木柄のように水分による腐食がありません。そのため洗いやすく、衛生面でも安心です。
また使い終わったあとは、食器用洗剤で洗い、水分を布巾で拭くだけなので、お手入れも簡単です。

ステンレス包丁のデメリット
 

・鋼と比べ鋼材にねばり(靭性)があるため、砥石で研ぐ際にはややくせがある

・錆びづらいが、環境や使い方によって錆びる場合もある

ステンレスは鋼と比較すると靭性があるため、砥石で研ぐ場合は、鋼と比較するとややしなるような感覚があります。砥石は「ステンレス対応」のものを選んでください。
セラミックは(金属を含まないので)錆びませんが、ステンレスには鉄成分が含まれているため、食材や水分が付いたままの状態での放置や湿気のある場所で保管した場合など、環境や条件によっては錆びることもあります。

ライフスタイルや用途にあったサイズや形

例えば、一人暮らしの学生と小学生の子どもがいる4人家族では作る料理も量も異なります。また同じ人数でも、作る頻度やよく使う食材の大きさ、切り方などによってもベストな刃渡りや形状は違います。

●刃渡りの選び方

食材に何度も刃を入れると、断面ががたつく、食感が変わる、手数が増えるため効率的でもありません。サイズを選ぶときは食材よりも刃渡りが2-3㎝長い方が、何度も刃を入れずにすむのでおすすめです。

例えば、キャベツ半玉をまな板に載せて切り始めるならば、刃渡りは18㎝以上、

1/4程度や葉を剥がして嵩を小さくしてから切るのであれば15,6㎝程度あると使いやすいです

●切り方で選ぶ

刃渡りを使ったスライスや刃先を滑らせるように使う押し切りを良くするのであれば牛刀、包丁を前方に押し突くように切る突き切りをよくする方や嵩のある野菜をよく切る方には三徳包丁がおすすめです。

●作業スペースで選ぶ

単身用のキッチンは作業スペースが十分に取れない場合はコンパクトな包丁がおすすめです。また、まな板から刃が出ると危険です。まずはまな板が置けるスペースを確保し、包丁の刃渡りはそれよりも短いものを選びましょう。

それでも決まらなければ、

●デザインで選ぶ:三徳も牛刀も文化包丁も形状の違いがありますが、いずれも万能包丁。

▼コラム「自分にあった包丁選び① 」も参照し、最後は自分の好みで選ぶというのも一つの方法です。例えば先端が尖っているのが苦手なので三徳、細身でかっこいいので牛刀など、当社のお客様はデザインを決め手にしている方も多いです。

お手入れ方法

包丁の切れ味を復活させるには、大きく分けると次のような方法があります。

・シャープナーで簡易的に研ぐ

・砥石で研ぐ

・メーカーの研ぎ直しサービスを利用する

刃先が摩耗していくのは包丁を使用する以上避けられないことです。例えば商品によっては砥石しか使えないものや、逆に特殊な素材や加工により専用シャープナーしか使えないものもあります。長く使い続けるために、日ごろのお手入れ方法から自分に合ったものを選ぶというのも一つの方法です。

お手入れ方法については下記のコラムでも詳しくご紹介しています。ご参照ください。

▼「お手入れについてのコラム」