包丁は、使い続けると徐々に切れ味が悪くなっていきます。砥石やシャープナーで切れ味を回復させることはできますが、そもそも包丁に寿命はあるのか、また、買い替えの目安、寿命を伸ばすためのお手入れ方法などを紹介します。
包丁に寿命はあるの?
包丁にも当然寿命はありますが、使用頻度や普段のメンテナンス方法によってその長さが変わります。一概に何年と決まっているわけではなく、適切な手入れをしながら使用すると10年、20年と長く使い続けることができます。
包丁を買い換えるタイミングは?
包丁の切れ味が悪くなったら、砥石やシャープナーによって切れ味を回復させることは可能です。しかし、研ぐたびに少しずつ刀身が細く小さくなり、刃に厚みが出てきます。そうして刃先が鈍角になった包丁は、研いでも切れ味を取り戻すのが難しくなります。この状態が寿命を迎えたひとつの目安であり、包丁の買い替えを検討するタイミングといえるでしょう。
包丁の寿命を延ばすポイントとメンテナンス方法
次のことに気を付けると、包丁を長く使い続けることができます。
過度に研がない
砥石で研ぐことで切れ味は回復しますが、前述のように研ぐ度に包丁は少しずつ小さく細くなっていきます。従って研ぐ頻度を減らすと、包丁の縮小ペースは下がります。
切れ味の悪い包丁を使うことが良いわけではありませんが、頻繁に研ぐとその分包丁の寿命も短くなるため、普段の料理に差し支えない程度の適切な研ぎの頻度を見極めることが重要です。
なお当社の研ぎ直しサービスは、1~2年に一度の間隔でご利用いただくお客様が最も多いです。
硬い素材の刃を選ぶ
硬い素材の刃を選ぶことで摩耗しづらくなり、切れ味をより長く保つことができます。
例えばBとHB(※HはHARD=硬いの意味)の鉛筆を同じ筆圧で使った場合、HBの方が芯が硬いため、細い線をより長く書くことができ、削る頻度も控えられます。同様に、包丁も硬い素材の刃を選べば、刃先の摩耗ペースが穏やかになるため、研ぎの頻度を控えることが出来ます。但し、硬い素材は欠けのリスクも高くなるので注意が必要です。
毎回中性洗剤で洗って水気を拭き取り保管する
ステンレスは錆びにくい素材ではありますが、全く錆びないわけではありません。汚れや水分がついた状態で放置するとサビが発生し、進行するとその部分から破損する恐れもあります。包丁の使用後は、なるべくすぐに中性洗剤で洗い、自然乾燥ではなく水気を拭き取って、湿気の少ない場所に保管してください。
刃欠けを起こさせない
包丁の刃が欠けるとその部分を付け直すことが出来ず、欠けている高さ分、包丁を削り出し刃を整え直すことになります。したがって欠けの大きさの分、包丁が小さくなってしまいます。
刃欠けを起こさせないようにするには、硬いものを無理矢理切らないことが重要です。生のかぼちゃの皮やとうもろこしの芯、冷凍食品、乾燥した餅、骨や殻などの硬い食材を力任せに切ることは控えましょう。
包丁はメンテナンス次第で長く愛用できる
包丁の寿命や買い替えの目安、正しいメンテナンス方法について解説しました。包丁は明確な使用可能期間が決まっているわけではありませんが、研いでも切れ味が戻らなくなったり、刀身が小さくなって使い勝手が悪くなってきたタイミングで買い替えを検討すると良いでしょう。お気に入りの包丁を長く使用するために、研ぐ頻度やお手入れ方法について意識してみることをおすすめします。