気を付けたい包丁の「サビ」と日常のお手入れ方法について

コラム

包丁のお手入れでは、切れ味の良い状態を保つこと以外にも、サビなどを防ぎ包丁の見た目をキレイに保つことも大切です。

サビとはどういうものか、またサビを防ぐための日常のお手入れ方法についてご紹介します。

ステンレスとは?

鉄にクロームを少なくとも10.5%以上添加した鉄合金を「ステンレス鋼」と呼びます。クローム以外にもいろいろな元素が混ざっています。

たとえば炭素は、ステンレスを刃物に使える硬さにするための「焼き入れ」を行うために必要です(炭素量が多いほど、焼き入れで固くなりますが錆びやすくもなります)。その他にもニッケル・モリブデン・バナジウムなどを含有させた、粘り強さや耐食性など様々な特性を持ったいろいろなステンレスがあります。

ステンレスが錆びにくい理由

ステンレスは空気に触れることにより酸素とクロームが結合し、錆を防ぐ薄い保護皮膜(不働態皮膜)を形成し、全体を包み込みます。その結果、汚れや、鉄が酸素・水分と結合しようとする(→「錆びる」)のを防いでくれます。

一方で、包丁に汚れや水分が残った状態だと、酸素とクロームが結合することができず保護皮膜を作ることができなくなり、鉄と酸素・水分と結合しやすくなり、サビの原因となります。湿気のある環境での保管も同様の理由で錆びやすくなります。

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サビが発生したら

ステンレスは「錆びにくい」鋼材ではありますが、「全く錆びない」ものではありません。様々な条件や環境下で錆びることがあります。サビが発生したら出来るだけ早いうちに、市販のサビ落としやクレンザーなどの研磨剤、またメラミンスポンジなどで磨いてサビを落としてください。放置すると鋼材内へサビが進行し落とせなくなります。

毎日の包丁のお手入れは「洗う・拭く・しまう」が基本

包丁のサビを防ぐために必要なお手入れは「洗う・拭く・しまう」の3ステップが基本です。

包丁を使ったあとに中性洗剤できちんと洗い、水気をしっかりと拭き取り湿気のない場所に保管してください。この3ステップを習慣づけると、キレイな見た目も保て、快適に包丁を使い続けることができます。

調理作業後はなるべく早く包丁を「洗う」

包丁は、調理作業が終わったらできるだけ早く洗うことが大切です。上で説明したように、切ったものに含まれる水分・塩分・酸などが、ステンレスの保護被膜化を妨げ、サビが生じてしまうからです。

使うたびに洗うのは面倒と感じることもあるかと思いますが、せめて料理を作り終えたタイミングで包丁を洗うよう習慣づけるのがお勧めです。

洗い方は簡単で、中性洗剤をつけたスポンジで洗ってしっかりとすすぐだけ。食材を切った刀身部分だけではなく、柄もスポンジでそのまま洗うとより衛生的です。

洗う際の注意点は次のようなものがあげられます。

・食器洗い乾燥機は使わない ※

・塩分や酸性の強い食品(柑橘類・漬物等)を切ったあとはすぐ洗う

・漂白剤はサビの発生につながる可能性があるため使わない

・もらいサビや傷の原因となるため、金属製たわしは使わない

・洗ったあと、洗いかごに置きっぱなしにしない(食器とぶつかって欠けたり、水が跳ねてサビの原因になるため)

※食器洗い乾燥機は洗浄・すすぎの際に水を循環させているため、たとえ目に見えなくとも微小な汚れが表面に付着してしまい保護皮膜を作ることができなくなります。さらに、その状態で高温で乾燥させることでサビの進行を促す恐れがあります。

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包丁を洗ったあとは放置せず、すぐに水気を「拭く」

包丁を洗ったあとは、乾いたふきんで水気をよく拭き取ります。水分が残っていると、サビの原因となるため、濡れたままの自然乾燥は避けてください。

包丁は湿気の少ない場所に「しまう」

包丁をしまう際は、サビの発生を避けるため湿気の少ない場所へ収納してください。専用の収納アイテムに入れたり、引き出しに乾いたふきんを敷いてその上に包丁を置いたりするのがおすすめです。

湿気のほか、刃を傷めないよう収納することも重要です。他の包丁などに刃が当たると刃欠けの原因になるため、1本ずつ丁寧に扱ってください。

ご使用上の注意事項について、詳しくは下記ページでもご案内しています。

ぜひ併せてご確認ください。

▼ご使用にあたり 

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